旅行の復路を楽しむための地図サービスの提案

旅行の復路を楽しむための地図サービスの提案
Keywords:地域ブランド, 地域活性化, ユーザエクスペリエンスデザイン

1.概要

伊豆半島は、豊かな自然に恵まれながらも首都圏からの観光客、宿泊客は年々減少傾向にある。これは伊豆半島の観光事業の存続に関わる問題であり解決して行くべきであるという信念のも研究に取り組んだ。研究の成果物としては、帰り道の為に厳選した50のコト『伊豆旅行の復路の楽しみ方を提案するマップ』というものを実際に作成した。サービスの利用場面としては、伊豆半島先端に旅行に来た際の復路に使用する。結果、伊豆旅行の満足度向上に繋げる事を目的としている。

2.背景と目的

旅行のアクセスは、往路(行き)、現地での移動、復路(帰り)で構成され、様々なサービスが存在する。現在、観光客の往路に対し、行政、企業、地方自治体が様々な交通機関を利用したアクセス方法をテレビ広告やWeb上で訪れる過程の楽しみ方を唱っている。現地での移動に関しては、様々な媒体が現地での楽しみ方を提案している。しかし、復路はというと、駅にある電車の路線図やバスの時刻表、もしくはカーナビゲーションが帰宅までの道のりを案内するのが現状だ。そこで、筆者は自動車での伊豆旅行において、往路として通った道を再び復路として利用すること、楽しかった旅をエンディングとして静かにふりかえること、その2つの重ね合わせとしての復路に着目する。「終わりよければすべてよし」という諺の通り、近年の行動経済学は、ある体験の記憶は、ほぼ完全に体験のクライマックスと終わりだけで判断される(ピークエンドの法則[2])という終わりの重要性を明らかにした。復路をより楽しみ、伊豆の記憶をふりかえるために、旅行客が利用しながら、その意味に改めて気付くことを狙った地図サービスが一つの手段として考えられる。

背景と目的

3.調査

旅行の復路を楽しくするアプローチとして、私は【復路の定義】→【復路の楽しみ方】→【楽しかった記憶の成熟】という手順で調査分析を進めた。手順通り、まず復路についての定義を確認するために調査を実施した。「宿泊先の旅館を出た時」「旅行の最終目的」「目的としていた市町村を出た時」「マイカーに乗った時」と様々な回答が得られた。この調査から、復路の定義が人それぞれ違い、復路の始まりは、感情や感覚に左右され決定されるとても曖昧なものであるという事が判明した。次に旅の復路を楽しくするため、旅のアクセスである【往路】【現地での移動】【復路】の中の、【現地での移動】から【復路】に変わる瞬間に注目した。【現地での移動】というのはまさに旅行中(非日常)であり、本来の目的を果たしている最中である。そこから、帰り道に切り替わるスイッチがどこにあるのかを模索した。その結果、旅の目的地(旅の目標)と密接に関係していることが判明した。そこで、旅の復路に新たな目的地(旅の目標)を設定する事で、新たに設定された目的地までの移動が【復路】ではなく、【現地での移動】という捉え方らに変わり、マイナスイメージを持つ復路を短くする事が可能ではないのかという仮説を立てサービス(成果物)作成に取り組んだ。

調査

4.成果物の特徴

成果物特徴

  1. パンフレットには記されていない地元住民のオススメ絶景スポットや、復路では欠かせないお土産を販売している店舗の紹介、ご当地B級グルメを堪能する事が出来る情報を人ベースに紹介
  2. スマートフォンからアクセス可能なwebサービスとし、伊豆半島の復路に特化したインタラクションとする。具体的には、伊豆半島の先端から、半島の付根に掛けて自分の身体の移動と同様にスクロールする事を可能にすることで伊豆旅行の復路をより楽しみ易くする

サービス利用者の流れ

このサービスは、目的地を決定する所までをサポートし、その後カーナビに住所を入力し目的地を目指すというサイクルである。

5.結果と考察

結果、友人はこのサービスに記載されている【情報】にとても興味を持っていたが、使い易さと言う点では不満を持っていた。このことから、今回私が厳選し提供した情報は、伊豆旅行からの復路の満足度を向上させる重要な要素となるということが考えられる。それと同時に、課題も見えた。それは、サービスのインタラクティブな面やユーザエクスペリエンスデザインの視点での改善点である。そのため、今後はそれらの課題をユーザー(ターゲット)に寄り添って解決していきたい。

6.今後の課題

課題としては、伊豆に住む先人達の生の声(リッチな情報)を拾う事はできたが、今後サービスを運営していく上でこの情報の価値がいつまで続くのか、どの程度の頻度で更新するのか。という、部分が想定され開発されていないため、サービスとして管理し辛い点について課題が残るためは改善の余地があると感じる。