ロボット,遠隔操作,移動,弱いロボット

[NE21-1060G/PCプログラム]
1.はじめに
近年、インターネット技術の発展により現実空間で行われていたことがコンピューターで代替されるようになってきた。ビデオ会議システムや電子書籍、メール、インターネット通販などが挙げられる。しかしながら、インターネットによる昔ながらの移動のあり方は代替されていないのが現状だ。現実空間での移動をインターネットで代替することによって、その人がいる場所と移動したい場所との間にある距離や移動までの時間によって生じていた制約を超えて移動を行うことができるのではないかと考え研究を行った。
2.目的
“ラジコンで世界を旅する”を目標に研究を始めた。ラジコンで世界を旅するには、市販されているものでは機能や性能が不十分である。世界を旅するなかで、あらゆる壁が立ちはだかるためだ。よって、現実世界を移動する上で欠かせない機能を模索し、搭載することに決めた。また、ロボットを操作することが楽しくなければ長期的に使ってもらえなくなってしまうだろう。そして、従来の移動にはない価値や楽しさがなければロボットで移動しようとはしなくなってしまう。よって、世界を旅するラジコンに相応しい能力と独自の魅力を作り出すことに注力した。
3.先行研究
日本と海外では、ラジコンを使って買い物のおつかいを行う YouTube 投稿者がいる。ラジコン料理☆らじくっく☆Radio Control Cooking Channel という方は、カメラ付きトラック型のラジコンに付箋で購入したい商品名を書き、お金を入れて店までいき、周囲にいる人に買ってきてもらうという企画を展開している人である。スピーカーを搭載していて、困りごとがあれば効果音や予め記録してある声を流すことが出来るようだ[1]。コメント欄や周囲の反応を見ると、可愛いという肯定的な反応が多く、周囲の助けも問題なく得られている。
海外でも類似の動画がある。日本の動画とは違い、スピーカーは搭載されていないものの麦わら帽子をかぶった小さなキャラクターがサーボモーターによって動くようになっている。この動画でも、周りの助けを得られながら買い物をできている[2]。しかし、一部の動画では車にひかれてしまうものもあり、ラジコンの課題を感じるものであった。
いずれの動画でも、人々の親切な一面を見ることが出来るという点においてコメント欄等で非常に好評だったか弱く小さな存在であるラジコンが必死に買い物をしようとしている姿に愛着を感じるのかもしれない。
4.制作の流れと試作実験結果
4.1.遠隔操作できるラジコンの作成
まずは、携帯回線を使用して遠隔操作することができるラジコンを制作することにした。そこで、RaspberryPi で動くラジコンカーを提供している SunFounder をベースに開発を行うことにした。もともと製品に付属しているソフトをベースに ngrok を使ってインターネット上から操作できるように改良を施した。ラジコンの頭部にスマートフォンを仮止めすることによって、遠隔地の映像を Google Meet を介して見ながら操作できるようにした。
実際に、専修大学内を制作したラジコンで遠隔操作を行ってみた。操作自体は問題なく行うことができたものの、スマートフォンの仮止めが甘く、はずれかかっていた。また、夏ということもありスマートフォンの熱暴走によって通信不可になってしまい終了した。他にも少しの段差が乗り越えられず操作している人が助けにいかないといけない事態が発生した。この事態を踏まえて、助けを求める機能を実装することに決めた。
4.2.本体にガイドモニターを搭載
周囲に助けを求められるように、タブレット型の液晶ディスプレイを後部に搭載することにした。表示する内容は、遠隔で変更することが出来る。
実際に人による操作が行われなければ動かないエレベーターなどを、本機能を用いて使用することができた具体的には、専修大学 10 号館の 5 階からエレベーターを用いて 1 階まで移動することができた。何回か繰り返し検証をしても、必ず助けてもらうことができたので、このガイドモニターを用いて助けてもらいながら移動するアプローチは成功したと言える。
4.3.猫のラジコン
ラジコンに猫の人形を乗せて移動すれば、周囲の人々は親近感が湧き、操縦する側はまるで猫になった気分で周りと接する体験ができると仮説を立てた。しかし、猫を乗せたことで従来とは異なり、周りの関心値が大きく低下し、周囲からの助けを得ることもできなくなった。特に専修大学に所属する警備員の方々から辛辣な反応をもらうなど周囲の反応はとてつもなく悪化してしまった。
考えられる理由としては、一気に外装が安っぽく、凄さや権威がなくなったことや猫が道で動いていても、目新しさがない、モニターが横に移動したため、助けに気づかなかった、デフォルメが中途半端だったなどが考えられる。
4.4.バスのように
ラジコンで旅をしたい人以外、不快を感じる可能性がある。周りの歩行者などが迷惑だと感じているなか、操縦していても楽しくないだろう。バスのように、1 台でたくさんの人の想いを叶えることができれば少し邪魔でも、許せてしまうのではないか、操縦側の精神的な負担が少なくなるのではないかと考えた。そこで、あらゆる人が、1 台のラジコンで同時に想いを叶える仕組みを制作した。QR コードからあらゆる人がラジコンの風景や操縦者へ連絡、RC を使った宣伝ができる仕組みを制作した。
4.5.外装の作成
このロボットには、1 つ大きな課題があった。見た目がとても不審で、街なかを走行していると不審物のようで危険なものであると感じさせてしまう可能性があった警察沙汰にならぬよう、外装からみて安心安全であり近未来的なものであるということをデザインで伝える必要があった。そこで、このロボットが移動から警備、エンタメとしての側面があるように、先進的で犬のおまわりさんのように逞しく、多様な使い道があるということが伝わるモダンなデザインを施した。
5.結果と考察
ラジコン型のロボットには、人々による助け合いを誘発させる機能を搭載することが非常に重要であることが判明した。また、タブレット型の情報伝達機能によって効果は非常に高いことが判明した。
6.おわりに
今回の研究では、長距離の移動ができなかった。生田から渋谷の距離をヒッチハイクで車に助けを求めて移動できないか検証をしたい。また、ラジコンを操作している人は、楽しいのか、それは持続して楽しくなるのか不明だ。散歩やドライブとは違った楽しさをラジコンで作ることができないか、その楽しさは移動がもつべきである持続した楽しさにならないか模索し続けたい。
参考文献
[1] ラ ジ コ ン 料 理 ☆ ら じ く っ く ☆ Radio ControlCooking Channel.“【おつかい全編】
ラジコンに「15時のおやつ�」買いに行ってもらった末路 Go on aradiocontrollederrand!!!.
https://www.youtube.com/watch?v=daqEimaHkw0 (参照 2025-01-21)
[2] Kael Schoerlin.“Fpv Rc car shopping at KendraScott full video”.
https://www.youtube.com/watch?v=XMMNzhukSTE (参照 2025-01-21)


